決済運用比較
Square vs Shopify Payments:決済・入金・返金を比較
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日本国内向けに布小物10商品を自宅から発送する架空のオンラインショップを想定します。店主一人が運営し、平日に30分、週末に3時間ほどの作業時間を充てながら、決済処理費用の仮予算を月2万円(各社で適用される税や追加費用は別確認とし、ストア固定費・仕入れ・送料・外注費は除く)と置いてオンラインカード決済の導入を検討しています。
オンライン決済を比べるとき、手数料率の数字だけに目が行きがちですが、注文が入ったあとの銀行着金や返金、万が一の異議申立て対応まで見通すことが欠かせません。本稿では、Squareのオンラインストア機能で受け付ける支払いと、Shopifyストア上でShopify Paymentsを利用する支払いを対象に、必要な契約の違いから日々の入金・例外処理までを整理します(本稿の記載内容は2026年10月9日時点の公式情報に基づきます)。
まず、同じサービス範囲を比べている?
決済手段を比べる前に、検討しているサービスの提供範囲がそろっているかを切り分ける必要があります。購入者の支払い処理を担う「決済サービス」と、商品管理や注文処理、サイト表示までをまとめて管理する「ストア基盤」は役割が異なります。
Squareは対面決済端末や請求書払いなど多様な製品を提供していますが、オンライン販売では月額0円から利用できるSquareオンラインビジネスのフリープランなどが用意されています(Squareオンラインビジネスのプラン、Squareオンライン決済の対応決済方法と手数料)。対面端末や手入力決済などは利用製品や入力方法によって手数料体系が異なるため(Squareオンライン決済の対応決済方法と手数料)、本稿ではオンライン販売経路に限定して確認します。
一方のShopify Paymentsは、Shopifyのチェックアウト画面に統合された決済機能であり、注文管理や支払いの確認をShopifyの管理画面内で一元的に行います。Shopify Paymentsを利用するには、Shopifyストア自体のサブスクリプション契約が前提となります(Shopify料金プランの概要、日本のShopify Payments対応決済方法)。
店頭決済の要件は別に分け、まずは自店が用意するオンライン販売経路の範囲を明確に固定することが重要です。
オンライン決済の費用は、どうそろえる?
顧客の支払総額に掛ける割合である料率を比べる際は、対象カードと税の表示条件を揃える必要があります。
2026年10月時点において、比較対象をSquareオンラインビジネス フリーの通常オンラインカード決済と、Shopify Basicプランにおける国内の対象標準オンラインカードおよびJCB(Amexや海外カード等の別区分を除く)に限定して整理した一覧は以下のとおりです。
| サービス / プラン | 対象カード | 表示料率(2026年10月時点) | 税の表示区分 | 別途必要なストア契約 |
|---|---|---|---|---|
| Squareオンラインビジネス フリー | 通常のオンラインカード決済 | 3.6% | 不課税(Square決済手数料ヘルプ) | フリープラン基本月額0円(※有料機能等は除く) |
| Shopify Payments(Basicプラン時) | 国内対象標準 / JCB(※Amex・海外カード等を除く) | 3.55% | 適用税を含まない(Shopify利用規約) | 必要(Shopify料金プラン、概要) |
Shopifyの提示料金は適用税を含まない表示基準となっており(Shopify利用規約、Shopify Payments利用規約)、自店のアカウントに実際に適用される税や最終的な請求額を確認する必要があります。また、BasicプランではAmexや海外カードは別区分(Shopify料金プラン)となるほか、Shopifyストア本体の契約費用が別途発生します。前提条件や税区分が異なるため、表示料率の数字だけで優劣を判定することはできません。
月50万円なら、決済手数料はいくら?
同じ仮の決済額を想定した場合、対象となる処理費用がいくらになるかを試算します。
1件あたり5,000円(税込商品代金や送料を含む顧客支払総額)の注文が月に100件発生し、月間50万円となった場合を想定します。全件が本稿対象の国内標準オンラインカードおよびJCB(Amexや海外カード等の別区分を除く)で成功し、期間中に返金や異議申立てが発生しなかったと仮定した試算は下表のとおりです。これは売上見込みや実績ではなく、計算構造を理解するための仮定例です。
| 項目 | Squareオンラインビジネス フリー | Shopify Payments(Basicプラン時) |
|---|---|---|
| 月間決済総額の想定 | 500,000円(5,000円×100件) | 500,000円(5,000円×100件) |
| 対象カード決済の表示料率 | 3.6%(2026年10月時点) | 3.55%(2026年10月時点) |
| 対象の月間決済処理料 | 18,000円 | 17,750円 |
| 12か月間の小計 | 216,000円 | 213,000円 |
| 税の扱い | 不課税(Square決済手数料ヘルプ) | 適用税を含まない(Shopify利用規約) |
| 別途必要な契約費用 | フリープラン基本月額0円(※有料機能等は除く) | Shopify本体のストア固定費が別途必要 |
※試算表の金額は対象カード区分の決済処理料のみを算出したものであり、ストア契約料、追加機能・アプリ、為替等を含めた運営総額ではありません。自店が利用するプランや対象カード区分を照らし合わせ、実際の請求条件や固定費と合わせて費用全体を確認しましょう。
売上は、いつ銀行口座へ入る?
決済が完了してから売上金が銀行口座へ入金されるまでの流れを把握しておくことは、資金繰りの面で重要です。顧客の決済が確定してから送金可能になるまでの「決済期間」と、指定口座へ実際に反映される「着金」は段階が異なります。
Squareの通常振込は振込手数料が無料で提供されています。振込スケジュールは登録口座によって異なり、三井住友銀行またはみずほ銀行口座を指定している場合は決済日の翌営業日に振り込まれます。それ以外の金融機関を指定した場合は、毎週木曜日から翌週水曜日までの決済分が取りまとめられ、金曜日に振り込まれるサイクルとなっています(Squareの入金スケジュール)。
日本のShopify Paymentsでは、最短の決済期間として5営業日が定められています(Shopify公式グローバル決済タイミングヘルプ)。そのうえで、管理画面で選択した支払スケジュール(毎週の特定曜日、または毎月の特定日付。日次は選択不可)に従って送金処理が開始されます。送金処理が開始された後、銀行口座へ実際に着金するまでには通常さらに24〜72時間程度の処理時間がかかります(日本のShopify Paymentsにおける支払い)。
布小物の制作では、材料の仕入れ代金や梱包発送費用の支払期日が存在します。注文日から5営業日で必ず着金すると固定化せず、管理画面で案内される次回入金予定日を定期的に確認し、仕入れや送料の支払期日と照らし合わせておく運用が現実的です。
返金すると、残高と手数料はどう動く?
注文のキャンセルや返品に伴う返金処理では、操作を行った瞬間に購入者へお金が戻るわけではなく、当初の決済手数料がどう扱われるかもサービスによって異なります。
Squareで返金を行う場合、原則として決済日から1年以内であれば管理画面から手続きが可能です(決済方法によって一部例外があります)。返金処理自体の追加手数料はかかりませんが、一度実行した返金は取り消すことができません。また、返金を行うためには売上金などのSquare残高が返金総額を満たしている必要があります(Squareの返金手順)。なお「返金手数料がかからない」という規定は、当初の決済時に差し引かれた決済手数料が全額返還されることを意味するものではありません。
Shopify Paymentsにおける返金も、一度処理を開始すると取り消すことはできません。返金代金は次回以降の支払い予定額から自動的に差し引かれます。また、注文時に発生した元のクレジットカード処理手数料は返還されません(Shopify Paymentsの返金ルール、Shopify料金プランの概要)。
日本のShopify Paymentsでは、返金額が現在の売上残高を上回ってマイナスとなった場合でも、登録された銀行口座から不足分が直接自動で引き落とされることはありません。その代わり、マイナス残高として今後のプラスの支払いで順次相殺される仕組みとなっており、マイナス残高が解消されるまでは支払いを受け取れない場合があります(日本のShopify Paymentsにおける支払い)。
架空店のような個人運営では、注文番号、返金金額、返金処理日をメモに残し、次回の入金明細と突き合わせて差額を確認する手順をあらかじめ決めておくことがトラブル防止につながります。
異議申立ては、誰がいつ対応する?
クレジットカードの不正利用や注文商品の未着などを理由に、カード名義人がカード会社を通じて取引の取消を求める手続きを「異議申立て(チャージバック)」と呼びます。
Squareで取引に対する異議申立てが発生した場合、対象となる取引金額がSquare残高から一時的に保留されます。Squareから通知が届いた後、指定された期日までに発送証明や顧客とのやり取りなどの証拠書類を提出して反証します。Squareでは異議申立て管理手数料は請求されませんが、最終的な判断はカード発行会社が行います。反証が認められれば保留代金は加盟店へ戻りますが、カード会社の最終判断が加盟店に不利となった場合には、保留されていた取引金額を失うことになります(Squareの支払い異議申し立ての流れ)。
Shopify Paymentsで異議申立てが発生した場合は、Shopify管理画面から反証資料を提出してカード会社の判断を仰ぎます(Shopify Paymentsのチャージバック対応)。Shopify Paymentsでは異議申立てに際して所定の手数料負担が発生します(手数料の表示条件はShopify利用規約参照)。通常取引の試算モデルからは除外しますが、費用が0円であるとみなすことはできません。
どちらのサービスを利用する場合でも、店主自身が注文内容、発送伝票の控え、配送状況の追跡番号、購入者との連絡履歴を確実に保管しておく必要があります。異議申立ての通知を見落とさず、公式案内や管理画面に表示される提出期限内に落ち着いて資料を提出できる体制を整えておくことが大切です。
自分の店に合う決済を、どう決める?
決済サービスを選ぶ際は、手数料率の大小だけでなく、必要なストア契約、入金サイクル、例外的な返金や異議申立てが発生したときの作業手順を通しで確認することが大切です。自店の運用に照らした向き・不向きは以下の2点に整理できます。
- Squareオンラインビジネス フリー:基本月額を抑え、その機能範囲でオンライン販売を始める候補となります。ただし、自店に必要な機能が有料範囲に含まれる場合は、基本月額0円という点だけで判断しないことが重要です。
- Shopify Payments:Shopifyストア契約を利用して注文・決済・返金管理を一元化したい店の決済候補となります。一方で、Shopifyストアを契約せず、単独で決済機能だけを利用したい目的には合いません。
「照合」とは、注文ごとの記録と実際の決済・入金明細が一致しているかを確かめる日々の作業を指します。開店前に進める次の行動は以下の2点に整理できます。
- 契約と入金条件を確認する
ストア本体に必要な契約範囲や月額固定費を確認し、材料仕入れや送料の支払期日に対して各社の振込サイクル(翌営業日や週次、あるいは最短決済期間5営業日+設定日と銀行処理)で資金繰りが成り立つかを確かめます。 - 公式手順で試験方法と物流・通知への影響を確認する
実決済や自分への返金を試すのではなく、公式に提供されているテスト手順に従って決済の流れを確認します。あわせて注文完了メールなどの通知や発送準備への影響、返金・異議申立て時の画面操作を公式案内で把握しておきます。
一人で運営する小さな店舗では、管理画面の設定や例外対応が複雑になりすぎると本業である制作に支障が出ます。自店の販売方式や入金条件に合わせ、まずは必要な契約内容と公式案内を確認することから始めてみてください。
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