EC物流比較

LOGILESS vs オープンロジ:物流システムと発送代行を比較

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Shopifyと楽天市場で新品の常温ポーチを販売し、自社倉庫から月1,000件を出荷している架空のEC店舗を想定します。運営担当者1名が受注データの転記と商品の箱詰めを兼務しており、物流体制の見直しに毎週2時間の検討時間を充てています。システム利用料の予算枠として月額5万円(税別)を仮置きし、保管料・梱包料・配送料・資材費・人件費といった現場作業の費用は別に見積もる前提です。

検討の第一歩は、自社倉庫を残して効率化するシステム導入か、箱詰め作業ごと預ける代行委託かの違いを整理し、誰が注文管理と倉庫実務を担うかで候補を絞ることです。

減らしたいのは入力作業、それとも箱詰め?

二つのサービスはどちらも出荷業務を効率化する仕組みですが、役割の前提が異なります。LOGILESS(ロジレス)は自社倉庫や委託倉庫で使う受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)が一体のシステムで、現場の作業スタッフは含みません(LOGILESS利用規約)。一方のオープンロジは提携倉庫への保管・出荷委託が主軸ですが、複数販路をつなぐOMS機能も備えており、単純な機能有無の二択ではありません。

架空のポーチ店で、伝票作成や在庫連動の入力を減らしつつ自社の梱包を残すならLOGILESSが中心になります。箱詰めや集荷待ちを委託して販促等に時間を使いたいならオープンロジが候補です。減らしたいのが入力作業か箱詰め作業かを切り分けて検討を進めます。

架空のポーチ店の二つの運用例。自社倉庫を残す例ではLOGILESSで注文と倉庫を管理し、自社スタッフが箱詰めする。システム料金とは別に倉庫、作業、資材、配送の費用がかかる。LOGILESSは委託倉庫でも利用できる。作業を預ける例ではオープンロジのOMSから提携倉庫へ出荷指示をつなぎ、倉庫側が箱詰めする。物流代行費と適用されるOMS利用料を確認する。具体的な連携と作業の範囲は個別確認。購入者への連絡と返金判断は販売側の担当者を決めておく。

料金表は、どこまでの費用を表している?

公式ページに記載されている料金表を比べる際は、示されている金額がどの作業範囲をカバーしているかを確認する必要があります。「月額システム利用料」と「初期費用・固定費無料」という表記は、まったく異なる費用範囲を指しています。

LOGILESSの料金体系(2026年10月時点)は、受注と倉庫を管理する純粋なシステム利用料です。プランには「ライト」と「スタンダード」の通常2種類があり、月額基本料金の中に所定の課金対象件数(ライトは300出荷まで、スタンダードは500出荷まで)が含まれています(LOGILESS料金表)。この件数を超えた分は、出荷実績に応じた従量課金(段階制)が発生します。ただし、この金額には商品を保管する倉庫の費用や梱包作業料、配送料などは一切含まれていません。自社で倉庫を持たない場合は、事業者が提携倉庫などと直接契約を結び、保管料や作業料を別途支払う仕組みです。なお、モールやカートとの連携に追加費用はかかりませんが、2倉庫目以降の追加や庫内デバイス連携などは別見積もりのオプションとなります。

一方、オープンロジの物流料金ページ(2026年10月時点)では「初期費用・固定費無料」と案内されています。これは提携倉庫へ作業を委託する物流代行実務の料金体系を指しています。ただし、初期費用や月額固定費がかからないことと、実際に出荷した分だけ支払えばよいことは同じではありません。預けた在庫には日々の保管料が発生するため、出荷がない月であっても保管費用が0円になるとは限りません。具体的な入荷料、保管料、配送料、梱包資材費などは、商品のサイズや保管数量などの条件をヒアリングした後に個別見積もりとして提示されます。

さらにオープンロジでShopifyと楽天市場など複数販路の注文を一元管理して自動連携させる場合、物流費用とは別にOMSのシステム利用料が設定されています(オープンロジ公式発表)。単一チャネルの利用ではOMS利用料が無料となる案内がある一方、複数販路利用ではすべて自動的に同一料金が適用されるわけではなく、本稿では公式の有料OMS計算枠(月額基本10,000円・超過19円)が自店契約に適用されると仮定して整理します。自店に適用されるプランや条件は個別見積もりでの確認が必要です。

横にスクロールして表全体を確認できます。
サービス プラン・区分 月額基本料金(税別、2026年10月時点) 基本料に含む課金対象件数(月間) 超過時のシステム従量料金(税別)
LOGILESS ライト 20,000円 300出荷まで 301〜5,000件:25円/件(段階制)
LOGILESS スタンダード 25,000円 500出荷まで 501〜5,000件:25円/件(段階制)
オープンロジ 有料OMS計算枠(契約適用を仮定) 10,000円 500出荷まで 501〜5,000件:19円/件

このように、LOGILESSの提示金額は物流費を含まないシステム基本料であり、オープンロジの「固定費0円」は物理的な作業費の枠組みです。オープンロジの複数販路向け有料OMSまで常に自動で0円になるわけではありません。自店の契約形態にどの枠が適用されるかは、見積もり時に明確に確認する必要があります。

月1,000出荷なら、同じ条件でどう比べる?

月間1,000件の注文があっても、分割出荷やキャンセル、返品の扱いによって課金対象となる出荷の数え方は各社で異なる可能性があります。そのため今回の試算では、両社の課金対象となる出荷実績が月1,000件になると仮定し、1倉庫利用におけるシステム部分の費用だけを同条件で比較します(2026年10月時点、すべて税別)。

LOGILESSのシステム利用料の試算は以下の通りです。

  • ライトプラン:月額基本料金20,000円(300件含む)+超過700件×25円(17,500円)=月額37,500円(12か月換算で450,000円)。
  • スタンダードプラン:月額基本料金25,000円(500件含む)+超過500件×25円(12,500円)=月額37,500円(12か月換算で450,000円)。

月1,000出荷の段階では、ライトとスタンダードの月額システム利用料は同額の37,500円になります。ただしサポート体制が異なり、ライトがチャットサポート中心であるのに対し、スタンダードには国内電話サポートが含まれます(LOGILESS料金改定発表)。

次にオープンロジにおいて、Shopifyと楽天市場の2販路を連携させ、公式の有料OMS計算枠が自店の契約に適用されると仮定した場合のシステム費用を試算します。

  • 有料OMS計算枠(仮定):月額基本料金10,000円(500件含む)+超過500件×19円(9,500円)=月額19,500円(12か月換算で234,000円)。

ここで算出した12か月の金額(450,000円および234,000円)は、通常月額を12倍した試算であり、年払い契約の料金ではありません。また、この計算には倉庫追加などのシステムオプション費、商品の保管料、梱包資材費、ピッキング・梱包作業料、配送料、入庫輸送費、返品手数料、初期移行作業費、および消費税は一切含まれていません。

システム料金の表面的な差だけで安さを判断することはできません。委託型ではここに従量制の実作業費や保管費が加わり、自社運用型では配送料や資材費、社内の人件費が別にかかります。注文の分割やキャンセルといった計数ルールを確認したうえで、システム利用料と現場実務費を別々に算出し、自店の条件に合わせた総額で見積もりを比較することが重要です。

自分の販路と商品は、倉庫へつながる?

サービス紹介ページに利用中のモールやカートの名前が掲載されていても、自店の注文データや取り扱う商品がそのまま問題なくつながるとは限りません。確認すべき点は「データの連携」と「倉庫での現物対応」の2つに分かれます。

データ連携では、注文情報の自動取り込み、複数販路間での在庫数の連動、そして出荷完了後の追跡番号の書き戻しが、自社の業務フロー通りに機能するかを確かめます。LOGILESSの連携一覧やオープンロジの連携機能にはShopifyや楽天市場が案内されていますが、予約商品や受注生産品、特定の配送日時指定の扱いなど、店舗ごとの細かな注文仕様が標準機能の範囲で連携できるかは個別確認が必要です。

倉庫での現物対応では、預ける商品の仕様と保管条件を照合します。色やサイズごとに分かれた在庫管理上の最小単位である「SKU」の数、商品の寸法、重量、保管温度帯によって、対応できる倉庫や費用体系が変わります。

架空の店舗では「新品常温ポーチ・10SKU・1出荷あたり1点・宅配便60サイズ・国内配送」という条件を想定しています。常温のポーチであっても、寸法・材質・保管数量を提示して受託可能かを確認する必要があります。また、食品や医薬品などは温度帯や保管・配送条件により対応が異なるため、個別商材の条件を添えて窓口へ可否を相談することが欠かせません。オープンロジの取扱不可商品案内には受託できない品目が定められている一方、定温・冷凍冷蔵サービスのような温度管理の案内もあります。品名だけで判断せず、自社商品の寸法、材質、温度条件を正確に伝えて確認します。

返品や同梱の例外は、誰がどこまで担当する?

日々の標準的な出荷業務だけでなく、注文内容の変更や同梱物の封入、購入者からの返品といった例外業務を誰がどこまで処理するのかを決めておく必要があります。システムを導入したり倉庫作業を委託したりしても、これらすべての判断や対応が自動で完了するわけではありません。

特に整理が必要なのが、商品の「返品対応」と「代金の返金判断」の違いです。オープンロジなどの物流代行サービスを利用する場合、返品された荷物の受入や検品、再保管の受託可否、検品可能な範囲、不明品の扱い、追加費用などを事前に確認しておく必要があります。一方で、購入者への連絡、返金の可否判断、モールや決済サービスを通じた返金・キャンセル操作は、物流作業とは別に販売側で担当者を決めておく必要があります。

また、チラシやサンプルの同梱、ラッピング包装、セット組みなどの流通加工もサービスによって進め方が異なります。LOGILESSを自社倉庫で利用する場合は、システム上で特定の条件に応じた出荷指示を自社スタッフへ出す運用が可能ですが、同梱やギフトの指示方法や追加作業のルールを自店で決めておく必要があります。オープンロジに委託する場合は、指定可能なギフト対応や同梱作業の内容、追加で発生する作業費用、資材の持ち込み可否、出荷指示の締め切り時刻を見積もり時に確認します。

架空のポーチ店において「週に3件程度の返品が発生する」と仮定した場合、どの作業を誰がいつまでに処理するか、担当と期日をあらかじめ決めておく確認表の例です(数値は相場ではなく確認用の仮定)。

横にスクロールして表全体を確認できます。
確認項目・作業内容 想定される担当区分 事前確認・取り決め事項
購入者対応・返金可否の判断 販売側(自社店舗) 連絡受付の窓口と判断基準、回答期日
倉庫への返品連絡・受入通知 販売側・倉庫側 システムや管理画面を通じた通知手順
戻り商品の外装確認・検品 自社スタッフまたは委託倉庫 検品の実施範囲、追加費用、完了期日
良品在庫のシステム復帰 自社または委託倉庫 再販可能品の在庫計上ルールと手順
決済上の返金・キャンセル処理 販売側(自社店舗) 返金実行の担当者、処理期日、例外条件

例外作業が発生した際に、倉庫側へ何を依頼し、自社の誰がどの期日で判断・操作を行うのかを事前に決めておくことが重要です。

導入と契約前に、何を確かめればいい?

システムや委託倉庫の利用を開始するにあたっては、ツールの初期設定作業と現場の物理的な稼働準備を並行して進める必要があります。設定を完了させたからといって、その当日からトラブルなく全面移行できるわけではありません。

LOGILESSでは、本契約前に操作感や自動化の動作を確かめられる1か月の無料テストアカウントが提供されています(LOGILESS料金表)。ただし、この期間はあくまでシステム画面の設定やデータ連携を検証するためのものであり、実際に商品を配送する際の運賃や倉庫作業費までが無料になるわけではありません。また、LOGILESSの利用規約(第18条)では、本利用開始月の3か月後の月末までが最低利用期間として定められています(LOGILESS利用規約)。たとえば10月に本利用を開始した場合、翌年1月31日までが最低利用期間となり、解約を行うには解約希望月の前月25日までに所定の申請を行って承諾を得たうえで希望月末に終了する規定です。月払いであっても即日解約できるわけではない点に留意が必要です。

一方、オープンロジのような物流代行へ委託する場合は、提携倉庫への初回入庫日、現在の自社保管場所からの商品移動(引揚げ)、在庫データの登録手順、そして万が一運用が合わなかった際の残在庫の返送手順や解約条件を見積もり・商談時に確認しておく必要があります。

切り替えを安全に進めるためには、いきなり全商品を動かすのではなく、事前に各社の窓口へ「テストデータの投入方法」「テスト注文の可否」「実出荷を行う場合の費用」「誤発送や購入者への自動通知を確実に止める条件」を確認しておく必要があります。そのうえで、安全な条件が整った場合に限り、代表的な数SKUを選んで段階的に試行することが有効です。

  • テスト注文を発行し、Shopifyおよび楽天から正しい注文データがシステムに取り込まれるか。
  • 設定した配送方法やお届け日時が正しく指示データへ反映されるか。
  • 倉庫側でのピッキング、梱包、出荷通知の送信、モール側への伝票番号の反映が想定通りに完了するか。
  • 移行前の未出荷注文が新システムへ漏れや重複なく引き継がれているか(移行前後の注文記録同士を照合)。
  • 引当済みなどの条件をそろえたうえで、商品別のシステム在庫数と倉庫内の物理的な実在庫数が一致しているか(システム記録と現物を照合)。

事前に窓口と確認を取りながら手順を踏むことで、切り替え時の出荷停止や在庫の食い違いを防ぎやすくなります。

自分の店には、どちらの進め方が合う?

LOGILESSとオープンロジのどちらを軸に検討を進めるかは、規模だけで決めるのではなく、「自社倉庫の運用を生かすか」「保管・発送実務そのものを委託するか」という目的から判断します。

自社の梱包体制を残して入力作業の一元化を進めたい店舗はLOGILESS、発送実務を手放して販促に注力したい店舗はオープンロジが検討候補となります。いずれの場合も、必須商材への対応可否や作業範囲、自社内に残る確認業務を個別に確認しておくことが不可欠です。

次の具体的なステップとして、架空のポーチ店のように「月間1,000出荷、繁忙期は日250出荷、常温ポーチ10SKU、宅配便60サイズ、想定保管日数、同梱物の有無、週3件程度の返品対応」といった自店の出荷条件を一覧に書き出してみることをお勧めします。 見積もりを集める際は、LOGILESS案では「システム利用料+自社運営コストまたは直接契約する倉庫の費用」、オープンロジ案では「物流代行費用+適用されるOMSの利用料」をそれぞれ別々に取得し、同じ費目表に転記して総費用と業務分担を比較することが確実な進め方となります。



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本記事に記載された各サービスの料金および仕様は、公式発表資料に基づき2026年10月9日時点で確認した情報です。最新の料金プランや個別見積もり条件は各社の公式サイトをご確認ください。

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