お金と準備

平日は仕事でもネットショップはできる?副業で始める準備と一週間の例

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仕事が終わったあとの時間を使って、お気に入りの文具を集めた小さなお店を開いてみたい――そう思い立ったとき、まず気になるのは「本業と両立できるだろうか」という点ではないでしょうか。 平日に仕事を続けながらネットショップを運営できるかどうかは、売上目標をいくらにするかよりも先に、「注文の確認や連絡、発送といった作業を日々の生活のどこに置けるか」から考えると判断しやすくなります。 また、実際にお店を開く前には、勤務先の副業ルールや税金に関する手続きの確認先をそれぞれ整理しておくことも欠かせません。 この記事では、平日の夜に30分、土曜日に2時間を使う架空の文具店を一例として、無理のない一週間の時間配分や準備の進め方を順番に見ていきます。

平日は仕事でも、お店を続けられる?

平日の仕事を続けながらネットショップを運営できるかどうかは、「注文の確認」「お客さんへの連絡」「商品の発送」という3つの作業を、自分が確実に動ける日時に無理なく配置できるかで判断します。最初から販売数を増やそうと焦るより、まずはごく小さな作業の流れを生活の中で一度通してみる計画が現実的です。

副業を始めるにあたっては、厚生労働省の資料でも、勤務先のルールを確認することに加えて、本業の業務内容や就業時間を踏まえた選択を行い、自身の健康に配慮することが呼びかけられています(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」等の労働者向けリーフレット)。睡眠や休養の時間を削って作業を詰め込むと、本業にも体調にも支障が出かねません。

たとえば、仕入れた文具5種類を扱う小さなお店を想定し、平日に30分、土曜日に2時間を使う架空の時間表を組んでみます。

横にスクロールして表全体を確認できます。
曜日 確保する時間 主な作業内容の想定
月〜金 各30分 注文確認・メッセージ返信(10分)
商品登録や仕入れ確認などの準備(20分)
土 2時間 まとまった梱包・発送手続き、売上や経費の記録(記帳)
日 休み 原則として作業を行わず休養にあてる

平日の30分のうち、最初の10分を新しい注文の有無の確認や返信にあて、残りの20分を商品の登録や仕入れの確認といった準備に使います。土曜日に梱包や発送をまとめて行い、日曜日はしっかり休むという配分です。

ただし、この時間表はあくまでひとつの架空例であり、作業時間を保証するものではありません。「平日に30分あれば誰でも運営できる」わけではなく、注文が増えれば当然この時間内には収まらなくなります。個人であっても、営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は通信販売の対象になり得ます(出典:特定商取引法ガイド「通信販売」)。休養時間を削って無理に成り立たせるのではなく、まずは自分が本業と両立できる作業の限界を把握しておきましょう。

本文の架空の一週間。月曜から金曜は各30分で注文確認・返信10分と準備20分、土曜は2時間で梱包・発送・記帳、日曜は原則休み。必要な作業時間の標準や、注文量にかかわらず足りる時間を示したものではない。

最初の商品は、どうやって決める?

最初に取り扱う商品は、自分の好みに加えて、保管場所の確保、梱包の手間、在庫の補充などを自分一人で無理なく扱えるかを確かめて決めます。

今回の架空例では、あらかじめ手元に在庫を用意して販売する文具5種類を想定しています。まずは手元に置くサンプルを1個用意し、寸法や重さを測ってみます。実際に袋詰めをして、緩衝材で包み、宛名ラベルを確認するまでの一連の作業にかかる時間を計って記録してみるのがおすすめです。机の上の限られたスペースで保管でき、壊れにくく梱包しやすいものであれば、平日の短い時間でも扱いやすくなります。

あわせて、メーカーや問屋から仕入れる場合は、個人のネット販売が認められているか、写真や説明文の転載が禁止されていないかといった仕入先の販売条件をよく確認しておきましょう。文具ならどんな商品でも特別な許可なく自由に販売できるとは限りませんし、仕入先の写真などを無断で使うこともできません。

なお、注文を受けてから作る「受注制作」を検討する場合は、材料の確保だけでなく実際の制作時間もすべて発送予定の中に組み込む必要があります。受注制作だからといって作業時間が省けるわけではなく、仕事の合間に作れる数量には限りがあります。

個人であっても営利の意思を持って反復継続して販売する場合は、通信販売のルールの対象になり得ます(出典:特定商取引法ガイド「通信販売」)。最初から無理なスケジュールを抱え込まず、あらかじめ設定した発送予定をきちんと守れる大きさや重さ、作業量の商品を選ぶことが落ち着いた運営につながります。

発送できるのが週末だけなら、どう案内する?

平日は仕事で発送できず週末だけにまとめる場合は、単に「土曜日に発送します」と書くだけでは不十分です。どの注文条件を満たせばいつまでに発送されるのかという発送期限と、お客さんに商品が届く時期(引渡時期:お客さんに商品を渡す時期)が具体的に伝わる案内を考えます。

通信販売を行う際には、商品の価格や送料、支払時期と方法、引渡時期、返品特約などを明確に表示することが定められています(出典:特定商取引法ガイド「通信販売」)。消費者庁のQ&Aでも、引渡時期は「○日以内」「○月○日まで」といったように期間や期限を明確に示す必要があり、単に「入金確認後発送」とだけ記載したのでは時期を明示したことにならないと示されています(出典:消費者庁「通信販売・広告Q&A」)。週末発送と一言書いただけでは、引渡時期の法的な表示としては完成しません。

たとえば架空の文具店で「毎週土曜日に発送する」と決める場合、注文の締め切りと発送の基準を揃えて案内文を整えます。

毎週金曜日の23時59分までに入金が確認できたご注文は、翌日土曜日に発送いたします。金曜日の締切までに入金確認ができなかったご注文は、次回受付分として入金確認後の土曜日の発送となります。

このように入金確認の有無を同じ基準で明記しておくと、金曜日の深夜や土曜日の午前に注文したお客さんとの認識のズレを防ぎやすくなります。 また、商品を発送してから手元に届くまでの日数は、利用する配送会社やお届け先の地域によって変わります。配送日数をあらかじめ推測で補うのではなく、利用する配送会社の公式案内で配達日数の目安を確認したうえで案内を完成させましょう。

本業の出張や急な用事、祝日などで土曜日に発送できない週があるときは、事前にショップ上でお知らせを出し、受注量を調整するなどの配慮も求められます。すでに受け付けた注文を「休業だから」と放置することはできません。自分が無理なく守れる日程かどうかを、開店前に試してみることが大切です。

準備のお金は、どこで区切ればいい?

開店準備に使うお金は、「商品の仕入れ代」「梱包資材代」「販売サービスの利用料」に分け、たとえ商品がすぐに売れなくても毎月の生活に影響が出ない範囲で上限を決めて区切ります。

今回の架空例では、準備予算の置き方の一例として「3万円」を設定し、次のように内訳を分けて考えます。

横にスクロールして表全体を確認できます。
項目 金額の想定 用途
文具の仕入れ代 15,000円 最初に取り扱う5種類の商品サンプル・初期在庫
梱包資材代 3,000円 ダンボール、緩衝材、OPP袋、テープ類など
試し発送の送料 2,000円 実際の発送手順や梱包状態を確かめるテスト費用
予備費 10,000円 想定外の出費に備えて手元に残しておく資金
合計 30,000円 売れなくても生活に支障のない範囲で設定

このように使途を分けておくと、勢いで仕入れすぎて手元のお金が不足するトラブルを防げます。また、商品が売れても代金が口座へ入金されるまでには一定の日数がかかるため、仕入れや梱包の費用は手元の資金から先に支払う必要があります。

ネットショップを開設するサービスについては、BASEのスタンダードプランのように初期費用・月額費用が0円で利用できる区分(出典:BASE「料金プラン」)や、STORESのフリープランのように月額費用0円の区分(出典:STORES「料金プラン」)が用意されています(いずれも2026年10月時点)。 ただし、月額費用が0円であっても、ショップの維持費のすべてがゼロになるわけではありません。商品が売れた際には注文ごとに決済手数料などが発生し、売上金を銀行口座へ引き出す際にも振込手数料や事務手数料が別途かかります。固定費(売上の有無にかかわらず定期的にかかる費用)がかからないプランは売れない期間の負担を抑えやすい利点がありますが、販売後にかかる費用が別にある前提で予算を把握しておきましょう。

勤務先や税金のことは、何を確かめればいい?

開店前に確認すべき事柄は、「勤務先の副業ルール」と「税金に関する公的な手続き」の2つに分けて整理します。これらは管轄が異なるため、それぞれ該当する窓口で確かめる必要があります。

まず勤務先に対しては、就業規則などの社内ルールを確認します。すべての会社に一律の許可制度があるわけではありませんが、厚生労働省の資料でも示されているように、会社ごとに副業に関する届出や申請の手続き、業務上の制約が設けられている場合があります(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」等の労働者向けリーフレット)。本業と競合する事業でないか、就業時間外であっても秘密保持や健康管理に問題がないかなどを確認しておくと安心です。

次に税金の手続きですが、基本として知っておきたいのが「所得」という考え方です。税務上の所得とは、商品の売上そのものではなく、売上(収入)から商品の仕入れ代や送料、梱包費といった「必要経費」を差し引いて計算する金額を指します。日頃から領収書を保管し、必要経費として扱える支出の確認と記録を最初から残しておくと、自分の状況を把握しやすくなります。

国税庁の案内によると、給与所得者であっても、副業から得た所得の金額や本人の状況によって所得税の確定申告が必要かどうかが分かれます(出典:国税庁「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」、国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」Q&A)。売上の金額だけで一律に判断せず、自身の条件を確認することが大切です。 注意しておきたい点として、国の管轄である「所得税」と、地方自治体の管轄である「住民税」は扱いが分かれています。たとえば横浜市の公式案内でも示されているように、所得税の確定申告が不要となる条件に当てはまる場合であっても、お住まいの自治体に対して住民税の申告が必要になるケースがあります(出典:横浜市「給与所得以外の所得がある場合の住民税の申告」)。具体的な申告手続きはお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

また、ネットショップを事業として始める場合は、国税庁の案内で対象となるかを確認したうえで「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」の提出を検討します。2026年10月時点の制度では、提出が必要な場合の期限は事業の開始等の事実があった年分の確定申告期限までと案内されています(出典:国税庁「[手続名]個人事業の開業・廃業等届出手続」)。なお、税制上の優遇措置を受けるための「青色申告承認申請書」は開業届とは別の手続きであり、提出期限も異なります。開業届を提出することが勤務先の副業許可の代わりになるわけではないため、会社のルール確認と税務の手続きはそれぞれ独立して進めましょう。

忙しい週は休める?サービスのどこを見ればいい?

本業の繁忙期や私用などで作業時間を確保できない週があるときは、管理画面から注文受付を一時的に止めたり公開状態を切り替えたりできるか、そして休業の案内を出せるかを確認しておくと、無理のない運用につながります。

たとえばBASEでは、ショップ情報の「ショップ公開状況」で「公開する」のチェックを外し変更を保存することで、商品ページを表示させず新規の注文受付を停止できます(出典:BASEヘルプ「ショップ情報の各種設定項目について、教えてください」)。また、「ブログApp」などを活用して、休業期間や発送再開のスケジュールをお知らせとして掲載することも可能です(出典:BASEヘルプ「一時休止・休業中のお知らせは掲載できますか」)。 ただし、ショップを非公開に設定しても、「特定商取引法に基づく表記」などの法律で定められたページは公開されたまま残る点には留意してください。ショップを非公開にしたからといって、事業者の氏名や住所などの情報まで自動的に非表示になるわけではありません。

また、新規の注文受付を停止することと、すでに受け付けた注文への対応は切り離して考えます。ショップを非公開にしても、過去の注文が自動的にキャンセルされるといった仕様を期待することはできません。あらかじめ既存注文の対応予定を決めておき、お客さんと約束した期限を守って発送や連絡を行いましょう。 STORESなど他のサービスを検討する場合も同様に、注文受付の一時停止や休業告知の機能、利用料金を確認してみるのがおすすめです。月額0円の区分は休止しやすい面がありますが、休業中であってもサービスごとに機能や条件は異なります。自分の商品や作業ペースに合わなければ、無理にひとつのサービスにこだわる必要はありません。

始める前に、一週間だけ何を試してみる?

開店前にまず試してみたい行動は、「販売前の1週間に商品登録から梱包までの練習を生活に入れて作業時間を記録してみること」と、「その記録をもとに商品数や発送スケジュールを見直すこと」の2つです。

具体的には、実際にショップを公開する前に、架空の注文が入った想定で1週間の生活を過ごしてみます。 平日の夜30分のうち10分を使って注文確認への返信文をメモ帳などに書いてみる、残りの20分で商品の写真撮影や説明文の入力を試す、といった作業です。そして土曜日の2時間で、実際に文具を緩衝材や箱に詰めて梱包し、宛名ラベルを確認して近くの発送場所まで持ち込んでみます。実際の注文をテストで作成する必要はありません。一連の小さな作業が、平日の30分と土曜の2時間の中に収まったかどうかを自分で記録してみることが目的です。

もし実際に試してみて「平日の30分では返信の作成だけで手一杯だった」「土曜の2時間では5種類の梱包が終わらなかった」と感じたなら、最初は扱う文具を1〜2種類に絞るか、発送日の設定を調整すればよいのです。一度練習したからといって本番の運営がすべて保証されるわけではありませんが、自分の生活リズムに合ったペースをつかむ確かな判断材料になります。 一週間のシミュレーションができたら、具体的な予算を整理する準備費用や、生活リズムに合わせた暮らしに合うサービス選びを参考に、無理のない第一歩を検討してみてください。

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