PRACTICAL GUIDE

ECの欠品・入荷待ち対応|販売停止・予約・代替を決める手順

欠品を見つけたら、まず売り続けるかを止めて判断します。画面の在庫数だけでなく、確保済み注文、販売可能数、入荷の確度、約束した発送日を分け、影響する顧客から対応します。

01

販売可能在庫と確保済み注文を分ける

02

入荷日が未確定なら約束を作らない

03

商品ページ・カート・受注後連絡を同時に直す

STEP 01

最初に新しい売り越しを止める

在庫差を見つけた時点で、対象SKUと販売チャネルを特定し、新規注文を止めるか安全な上限へ下げます。物理在庫、販売可能、確保済み、販売不可、移動中、入荷予定を分け、画面の合計在庫だけで判断しません。セット品やバリエーションは構成部品まで確認し、注文済み顧客への割当を新規販売へ回さないようにします。

STEP 02

影響注文を約束日順に並べる

対象SKUを含む未出荷注文を抽出し、注文ID、注文日時、約束した発送・到着時期、支払状態、同梱商品、連絡先、希望対応を一覧にします。先着順を基本にしつつ、予約商品との同梱、ギフト日、複数配送など契約・案内条件を確認します。優先順位を担当者の記憶だけで変えず、変更理由を残します。

STEP 03

販売停止・別拠点・入荷待ち・代替を選ぶ

入荷日と数量が確定していないなら販売停止を出発点にします。別拠点の販売可能在庫があり配送条件を守れるなら移管、確認済み入荷で引渡時期を示せるなら予約・入荷待ち、同等品を顧客が選べるなら代替、いずれも難しければ取消・返金を案内します。利益や広告費だけでなく、約束日、追加送料、分割出荷、顧客の選択を優先します。

STEP 04

別ロケーション在庫を勝手に合算しない

Shopifyでは複数ロケーションの在庫は個別に追跡され、共有・合算されません。別拠点に数量が見えても、その商品が販売・フルフィルメント可能か、他注文へ確保済みでないか、移動時間と送料を含めて確認します。移管したら元・先ロケーション、数量、出荷担当、追跡番号を更新し、二重引当を防ぎます。

STEP 05

在庫切れ販売と予約注文を同じにしない

Shopifyには『在庫切れの場合でも販売を続ける』設定がありますが、有効にするだけで入荷日、顧客案内、支払時期、取消手順が整うわけではありません。Shopifyの予約注文は対応アプリで設定し、公式案内では利用できる決済がShopify PaymentsまたはPayPal Expressに限られます。自店の契約、アプリ、地域、法令、支払・返金の動作をテストしてから公開します。

STEP 06

『入荷次第』ではなく期間・期限を示す

消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の商品の引渡時期を期間または期限で明確に表示する必要があり、『予約は入荷次第』だけでは時期を示したことにならないと案内しています。確認できる範囲で『○月○日までに発送』『入金確認後○日以内』のように示し、確定できない場合は販売を止めます。適用条件や個別対応は専門窓口へ確認します。

STEP 07

既存注文へ選択肢と回答期限を送る

対象商品、欠品の事実、現在の発送見込み、待つ・代替・分割・取消の選択肢、追加負担の有無、回答期限、連絡先を一通で案内します。確定していない入荷日を約束せず、次回連絡日を示します。無回答時の扱いを一方的に決めず、利用規約、決済状態、商品特性、法令を確認し、返金時は決済事業者の処理状況まで追います。

STEP 08

全チャネルの表示と広告を同時に直す

自社ECだけでなく、モール、SNSショップ、店舗、広告、商品フィード、セット品、定期購入の在庫表示を確認します。商品ページには注文可能状態、発送時期、同梱時の扱い、取消・返金窓口を反映し、古い広告や自動再入荷通知を止めます。OMSや在庫連携の反映間隔も記録し、管理画面更新だけで顧客画面が直ったと決めません。

STEP 09

復旧後に在庫差の入口を閉じる

復旧日は実地数量、未出荷、返品待ち、移動中、入荷済みを照合してから販売を再開します。原因を棚卸差、破損、同期遅延、手動調整、セット構成、返品未反映、仕入遅延、需要急増へ分け、発注点、安全在庫、連携頻度、アラート、責任者を一つだけ改善します。欠品率が下がっても過剰在庫や追加送料が増えていないか翌月に確認します。

WORKED EXAMPLE

具体例:40件の注文に対して販売可能在庫と確定入荷が34点しかないケース

以下は同一SKU・一人1点、別拠点在庫なしの編集部モデルです。顧客への優先順、代替条件、取消・返金方法は自店の表示、規約、決済状態へ置き換えます。

未出荷の確定注文約束日順に並べる
40件
販売可能在庫確保済み・販売不可を除外
16点
約束日前の確定入荷数量と到着日を仕入先確認
18点
不足する注文40-16-18
6件
代替品を希望顧客が選択
4件
取消・返金を希望決済処理まで確認
2件
計算結果対応可能34件=販売可能在庫16件+約束日前の確定入荷18件、不足6件=確定注文40件-対応可能34件、未解決0件=不足6件-代替4件-取消2件

この数字から分かること入荷予定30点のうち約束日前に数量と到着日を確認できた18点だけを対応可能数へ入れます。残る6件には発送できるふりをせず、顧客が選んだ代替4件と取消2件を注文・在庫・決済へ反映して未解決0件まで追います。

DECISION CORE

売れない損失より先に、守れない約束を増やさない

欠品時は在庫表示を直すだけでは足りません。注文済み顧客の約束日、確定入荷、代替、返金を一件ずつ結び、新規販売の再開条件を決めます。

01

確定数だけで割り当てる

販売可能在庫と、数量・到着日を確認できた入荷だけを対応可能数に入れ、希望的な仕入予定を足しません。

02

注文ごとに処理を選ぶ

販売停止、別拠点、入荷待ち、代替、分割、取消を、約束日と顧客の選択に基づいて記録します。

03

再開条件を決めてから戻す

実地在庫、未出荷、返品、移動中を再照合し、全チャネルの表示と連携を確認してから販売を再開します。

TWO CASES

条件が変わると、判断も変わる

一つの結論を全事業者へ当てはめず、運営条件の違う2ケースで確認します。

40件に対して確定対応34件

前提
販売可能16点、約束日前の確定入荷18点、未確定入荷12点。
判断
未確定12点を足すと販売を続けられるように見えますが、既存注文6件への発送約束を守れません。
次の行動
6件へ期限付きで連絡し、顧客が選んだ代替4件、取消2件まで決済・在庫へ反映します。

別倉庫に10点表示

前提
別ロケーションには数量があるが、店舗取置きと他注文の確保状態が不明。
判断
ロケーション在庫は共有されず、画面上の数量をそのまま移管可能数とは扱えません。
次の行動
販売可能、確保済み、出荷可否、移動日、送料を確認し、移管IDと担当を残します。

ケース内の数量・金額は判断方法を説明するモデルです。契約や予算決定には自社の実績値と最新の公式条件を使用してください。

FAQ

判断前によく出る疑問

在庫切れでも販売を続けてよいですか?

入荷数量・時期、顧客への表示、支払・取消・返金、対応アプリや決済条件を確認できる場合に限って検討します。設定を有効にするだけでは不十分です。

『入荷次第発送』と書けばよいですか?

消費者庁の通信販売広告Q&Aでは、それだけでは引渡時期を示したことにならず、期間または期限を明確にする必要があると案内されています。

入荷待ち注文は先着順ですか?

基本の順序と例外条件を先に決め、約束日、契約・案内条件、顧客の選択を確認します。担当者の判断だけで順序を変えません。

欠品後に最初に直す設定は何ですか?

原因次第です。棚卸差、同期遅延、手動調整、仕入遅延、需要急増を分け、発注点、連携頻度、アラート、責任者のうち原因へ最も近い一つを直します。

FINAL CHECK

実行前のチェックリスト

  • 対象SKUと全販売チャネルの新規販売を制御した
  • 販売可能・確保済み・販売不可・移動中を分けた
  • 影響注文を約束日順に抽出した
  • 入荷数量と到着日の確度を仕入先へ確認した
  • 販売停止・別拠点・入荷待ち・代替・取消を注文ごとに決めた
  • 期間または期限で発送時期を表示した
  • 既存顧客へ選択肢・回答期限・次回連絡日を伝えた
  • 商品ページ・広告・フィード・自動通知を同時に更新した
  • 復旧時に実地在庫と全注文を再照合した
PRIMARY SOURCES

公式出典

  1. 在庫追跡の設定Shopifyヘルプセンター
    • 商品ごとに在庫追跡を設定できること
    • 在庫切れの場合でも販売を続けるオプションがあること
    • 在庫管理アプリで追跡する数量はそのアプリのロケーションに割り当てられること
    • 複数ロケーションの在庫は各ロケーションで個別に追跡されること
    • 各ロケーションの在庫は共有・合算されないこと
    • 有効なロケーションからのみ商品を販売・フルフィルメントできること
  2. 予約注文Shopifyヘルプセンター
    • 在庫切れや未発売の商品を予約注文として設定できること
    • 予約注文には対応アプリでの設定が必要であること
    • 公式案内上の対応決済がShopify PaymentsまたはPayPal Expressであること
    • 事業地域の法令・Shopifyの各規約を守る必要があること
  3. 通信販売広告Q&A消費者庁 特定商取引法ガイド
    • 通信販売における商品の引渡時期は期間または期限として明確に表示する必要があること
    • 『予約は入荷次第』だけでは商品の引渡時期を示したことにならないとの案内
    • 『○日以内』『○月○日まで』などの具体的な表示例
CORRECTION

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