在庫・出荷・システム
ECの欠品・入荷待ち対応|販売停止・予約・代替を決める手順
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在庫切れに気づいたとき、管理画面の在庫数を「0」にするだけでは、連携モールや実店舗から新しい注文が入ってしまうことがあります。この記事では、布バッグ全20商品を扱う架空店で特定商品(BAG-NV-M)の未発送注文が5件(各1点)あるのに手元で商品が揃わない場面をもとに、新規の受付停止から在庫の仕分け、既存客への案内、販売再開までの手順を整理します(担当者2名、確認枠2時間、追加アプリ予算0円の想定。なお追加アプリ予算0円は配送料や資材費、既存サービス費まで無料という意味ではありません。各公式情報の確認日は2026年10月9日)。
欠品が分かったら、どの新規受付を止める?
欠品に気づいたら、まずはこれ以上新しい注文が入らないよう、対象商品の受付を止めます。すでに受けた注文のキャンセルや返金とは別の作業ですので、まずは新規の窓口だけを遮断しましょう。
進め方は次の3ステップです。
- 対象商品と販売チャネルの確認:色やサイズごとの識別コード(SKU。今回は「BAG-NV-M」)を特定し、自社EC、モール、実店舗など取り扱いのある全チャネルを洗い出します。
- 受付停止の設定と広告の停止:自社ECや連携モールの管理画面で、対象SKUの在庫を0にするか販売停止に設定します。その商品へ誘導しているWeb広告や商品フィードがあれば、在庫切れページにお客様を集めないよう配信を止めます。
- 公開画面での状態確認:ショップの画面を実際に開き、注文できない状態(売り切れ表示や購入ボタンの非表示など、意図した表示)になっているかを目視で確かめます。
実店舗を併用している場合は、レジの仕様に注意が必要です。Shopify ヘルプセンターの在庫追跡設定にある「在庫切れの場合でも販売を続ける」の無効化は、オンラインストア向けの設定であり、実店舗のShopify POSレジには直接連動しません。POSでは在庫が0以下でも会計を完了できる仕様があるため、店舗スタッフへ対象商品の販売を止めるよう口頭や連絡ツールですぐに伝え、現場のレジで販売を防ぐ運用を確かめてください。
販売可能・確保中・販売不可・入荷予定は、どう分ける?
受付を止めたら、手元にある在庫が今すぐ出荷に使える状態かどうかを確かめます。管理画面の総数や棚にある数をそのまま出荷できる在庫とみなしてはいけません。
Shopify ヘルプセンターの商品詳細ページでは、在庫が次の5つに区分されています。
| 在庫ステータス | 内容 | 出荷への充当 |
|---|---|---|
| 販売可能(Available) | 新規注文や既存注文へ割り当てられる数量 | 充当可能 |
| 確保中(Committed) | すでに注文に引き当てられ、出荷を待つ数量 | 対象注文分のみ充当可 |
| 販売不可(Unavailable) | キズや汚れ、検品不良などで出荷できない数量 | 不可 |
| 手持ち在庫(On hand) | 拠点に物理的にある総数(販売可能+確保中+販売不可) | 内訳ごとに判定 |
| 入荷予定(Incoming) | 発注済みでまだ拠点に届いていない数量(手持ち外) | 不可 |
複数拠点を運営している場合は、拠点の有効設定も確認します。Shopify ヘルプセンターの複数拠点在庫にあるとおり、在庫は倉庫や店舗などのロケーションごとに管理され、商品は「有効」かつオンライン注文の出荷(フルフィルメント)が許可された拠点からのみ出荷されます。合算値に含まれていても、実店舗専用に設定された在庫はオンライン注文へ回せない場合があるため、拠点の設定と現地の出荷体制(梱包資材や集荷時間)をあわせて確認しましょう。
影響する注文を、どの約束から並べる?
手元の在庫状況が分かったら、未発送の注文をどういう順番で対応するか整理します。注文順に機械的に処理するのではなく、お客様と交わした約束をもとに優先順位を決めます。
消費者庁の特定商取引法ガイド(通信販売広告)では、商品の引渡時期を期間や期限として明示することが求められています。注文を整理する際は、次の項目を一覧にまとめましょう。
- 注文番号と必要数:どの注文に何点必要なのか
- 案内済みの発送期限:購入時やメールで伝えた出荷期日(例:注文から〇日以内に発送)
- 到着希望日時:お客様が指定した配達希望日(発送期限と区別して記録する。個別の約束済到着日があっても他の近い期限より常に上とは限らないため、実際の期限や進捗を踏まえて順序を決める)
- 支払状況:決済が完了しているか、銀行振込などの入金待ちか
- 現場の作業進捗:ピッキング前か、梱包中か、伝票発行済みか
管理画面で「準備中」となっていても、現場ではまだ棚から商品を取っていないこともあります。配送業者の標準日数や当日の集荷締め切り時刻を踏まえ、客観的な発送期限が迫っている注文を軸に並べ替え、現場の実際の作業進捗を確かめた上で引き当て順を決めます。
現在2点で、5注文をどう仕分ける?
優先順位を決めたら、手元にある良品を数えて実際の不足数を計算します。
管理画面の「販売可能(Available)」から未発送の5点を引いてはいけません。Availableは新規受付用の数字であり、未発送分がすでに「確保中」に含まれている場合、二重に差し引いてしまうからです。今回の対象5件にすでに確保されている良品も含め、他注文分や不良品、未入荷品を除いた「確実に使える現物」を直接集計します。
架空店(BAG-NV-M)の照合結果は次のとおりです。
| 項目 | 数量 | 判定と理由 |
|---|---|---|
| 未発送注文の必要数 | 5点 | 今回の対象5件(各1点)に必要な合計 |
| A倉庫の確認済み良品 | 1点 | 充当可能(現場で実物と品質を確認済み) |
| 実店舗Bの確認済み良品 | 1点 | 条件付きで充当可能(オンライン出荷設定、集荷時刻、梱包体制を確認) |
| 入荷予定 | 3点 | 計算から除外(未着のため納期遅延や不良のリスクがある) |
| 販売不可 | 1点 | 計算から除外(キズがあり出荷基準に満たない) |
不足数の計算は次のようになります。
- A倉庫の良品1点のみを充当する場合:不足数は「5点 − 1点 = 4点」
- 実店舗Bの良品1点も出荷に使える場合:不足数は「5点 − 1点 − 1点 = 3点」
入荷予定の3点や販売不可の1点は、今すぐ出荷できる状態ではないため計算に入れません。確定した良品1〜2点を期限の迫る注文へ割り当て、在庫が足りない残り3〜4件へ個別連絡を行います。
既存注文へ、待機・別拠点・代替・取消をどう示す?
手元の在庫を割り当てられなかった注文には、店舗の都合を押し付けず、お客様に選んでいただく選択肢を案内します。
実店舗Bの1点も充当でき、不足が3点になった場合に提示する一般的な4つの選択肢は次のとおりです。
| 選択肢 | 事前の確認項目 | お客様への提示基準 |
|---|---|---|
| 待機(入荷待ち) | 仕入先への確認に基づく確実な入荷見通し | 見込みの入荷時期と発送予定日を提示(未確定の日時は約束しない) |
| 別拠点からの出荷 | 他の倉庫や店舗に在庫があるか、追加送料の有無と負担者、納期の成立 | 発送予定日と誰が送料を負担するかを提示(追加が必要ならお客様へ説明して合意し、無断請求しない) |
| 代替品の提案 | 別カラー・サイズ、類似品の在庫と価格差 | 写真や仕様を案内し、お客様の事前承諾を必須とする |
| 注文の取消・返金 | 現場の作業停止、決済方法に応じた取消・返金手順 | 返金方法や時期の目安を案内し、現場の出荷作業を即座に停止 |
なお、今回の架空店では実店舗Bの良品1点をすでに最初の注文へ割り当てているため、残る3件には使えません。そのため残る3件には「待機」「代替品」「注文の取消」を中心に案内します。
連絡時には「欠品のお詫び」「選べる選択肢」「返信期限と連絡先」を明確に伝えます。返信がないからといって、無断で勝手にキャンセルしてはいけません。自店の規約に沿って再連絡などの手順を踏みます。また、取消となった場合は現場のピッキングや伝票発行を止め、決済状況に応じて必要な処理(決済完了なら返金処理、未入金なら請求取消など)を行います。
既存の入荷待ちと、新規予約注文は何が違う?
欠品対応を進める際、「既存顧客の入荷待ち」と「新規の予約注文」は別のものとして扱います。
既存注文の入荷待ちは、すでに購入されたお客様(案内済みの発送期限内にある注文も含みます)へ事情を説明し、待ってもらうための合意形成です。一方、新規の予約注文は、これから新しいお客様に向けて注文を受け付ける販売活動です。
Shopifyで新規の予約注文を行うには、管理画面の設定だけでなく、専用の予約注文アプリが必要です。Shopify ヘルプセンターの予約注文によると、Shopify PaymentsまたはPayPal Expressを利用していることが前提とされています。また、導入候補とする予約アプリの月額料金や取引手数料の有無と額は、事前に提供元で確認する必要があります。
さらに、消費者庁の特定商取引法ガイド(通信販売広告)では、商品の引渡時期を期間または期限で明確に表示することが求められています。「入荷次第発送」のような曖昧な表記ではなく、「〇月〇日までに発送」と明示できる体制が必要です。決済要件、アプリ費用、発送時期の表示などの条件が整うまでは新規予約の募集は行わず、まずは手元にある既存5件の対応に集中しましょう。
通常販売を再開する前に、何を確かめる?
仕入先から商品が届いたら、次の手順で落ち着いて処理を進めます。
- 受入記録と検品:届いた荷物の受入を記録し、開梱してキズやほつれがないか検品します。良品と確認できるまで、管理画面の「販売可能」数には入れません。
- 入荷待ち注文への確保:検品を通った良品は、入荷待ちを承諾してくれた既存の注文へ最優先で割り当てます。
- 余りが出た場合のみ新規登録:架空店で届いた3点すべてが良品でも、既存の3件が入荷待ちであればすべて引き当てられます。この場合、新規販売に回せる数は「0点」のままであり、販売は再開できません。既存分を引いて余りが出たときだけ、その数量を販売可能数に登録します。
- 各チャネルの反映と発送:余りがある場合は各モールの在庫数を更新し、各販路の実画面で販売可能数や注文受付が意図通り反映されたかを確認してから停止していた広告を再開します。既存の注文は別に梱包・発送を完了し、配送伝票番号を添えて発送完了通知を送ります。
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