PRACTICAL GUIDE

セット販売の価格と在庫を決める

マグカップ2個とクロス1枚を、ひとつのセットにする。買う人には選びやすくても、店側では『値下げしていくら残る?』『単品も売れたら何セット組める?』という確認が増えます。セットの価格と、実際に出荷できる数を別々に計算してから売り始めましょう。

01

中身・数量・色を先に固定して原価を足す

02

構成品ごとに組める数を出し、少ない方を使う

03

単品とセットで同じ在庫を二重に売らない

STEP 01

まず、何が何個入るセットなのか決める

セット販売は、複数の商品をひとまとめの商品として提案する売り方です。値引きだけでなく、『一緒に使うものを選ぶ手間が省ける』ことも価値になります。売れ残ったものを足す前に、お客様がその組み合わせを使う場面を考えます。

ここでは、中身をあらかじめ決める固定セットを扱います。例は白いマグカップ2個とクロス1枚。色や数量を自由に選べる方式は、組み合わせによって原価と在庫が変わるため、同じ計算をそのまま使えません。

セット名の下に、構成品の商品名・SKU・色・数量を並べておきます。写真に写る小物が含まれないなら、その点も商品説明で示します。先に箱詰めして別在庫にするのか、注文後に単品の棚から集めるのかも、この段階で決めます。

STEP 02

3,400円で売ると、注文にいくら残るか

マグの原価を1個600円、クロスを1枚300円とする仮例なら、構成品原価は600円×2+300円=1,500円です。セット売価3,400円、店負担送料500円、梱包100円、決済費を売価の4%と仮定すると、記載費用を引いた残額は1,164円になります。

金額はすべて税抜の試算値で、お客様から送料は受け取りません。4%は計算用の仮定で、実在する決済サービスの料率や税込請求を再現したものではありません。広告、人件費、家賃、アプリ利用料、返品損失、税金は未計上なので、1,164円を最終利益や入金額とは呼びません。

同じ商品を単品価格の合計3,600円で、同じ1注文・1梱包として売るなら、同じ費用条件の残額は1,356円です。セット価格にすると192円減る計算になります。もともと同梱できる注文なら、セットにしただけで送料500円が丸ごと浮くわけではありません。

STEP 03

送料と作業が減るかは、実際の箱で確かめる

別々の注文をまとめられるなら、梱包や配送の回数が減る可能性はあります。ただし、箱が大きくなったり、割れ物の緩衝材が増えたりすれば、費用は逆に上がります。単品注文とセット注文の荷姿を作り、箱の大きさ・重さ・資材・作業時間を同じ条件で比べます。

上の試算は、セットでも単品の同時購入でも送料と梱包費が同じ、という前提です。自店で違うなら別の値へ置き換えます。ギフト包装の追加作業や、構成品のうち一つだけを別倉庫から送る費用も含めてください。

Shopifyの公式案内では、バンドルの配送料は構成商品の配送プロファイルに基づきます。店が配送会社へ払う原価と、お客様の購入画面に出る送料は別の確認です。『セットだから送料も一律』とは考えず、配送先を変えた購入画面でも照合します。

STEP 04

17個のマグから作れるのは、8セットまで

同じ保管場所・同じ時点に、販売可能なマグが17個、クロスが10枚あるとします。確保済み注文、破損品、未入荷の予定数は含めません。1セットにマグ2個とクロス1枚が必要なので、マグ側は17÷2を切り捨てて8セット、クロス側は10÷1=10セット分です。少ない方の8セットが、その時点で組める上限です。

8セットを組むとマグ16個・クロス8枚を使い、残るのはマグ1個とクロス2枚。まだ商品が残っていても、9セット目に必要なマグ2個がそろいません。商品数の合計や、多い方の数量をセット数にしないようにします。

これは1拠点で出荷できる数の手計算です。Shopifyも構成品の販売可能数を必要数で割り、最小値を切り捨てる方法を案内していますが、在庫未追跡や在庫切れ販売の設定で計算対象が変わります。Shopify Bundlesは全体の在庫を基に扱うため、複数拠点では、表示数とは別に一度の出荷で中身をそろえられるか確認が必要です。

STEP 05

単品が売れたら、セットの販売可能数も変える

注文後に単品の棚から集める方式では、マグを単品で3個売れば、上の17個は14個になり、組めるセットは7つへ減ります。単品の在庫だけ減らしてセットを8つのまま売ると、足りなくなる可能性があります。構成品を共有する設定と、更新が販売画面へ届くタイミングを確かめます。

反対に、8セットを先に組んで専用在庫へ移したなら、使ったマグ16個・クロス8枚を単品でも売れる在庫として残さないようにします。セットと構成品の両方へ同じ現物を数えないことが大切です。実際の移動や組立の記録方法は、倉庫システムに合わせます。

Shopify Bundlesでは、構成商品の価格を変えてもセット価格は自動更新されないと案内されています。在庫が連動していても、価格まで同じように連動するとは限りません。仕入原価、単品売価、セット売価のどれを変えたのか分け、採算表も見直します。

STEP 06

出荷指示と一部返品まで、小さく確かめる

販売前に、セット1点の注文が倉庫ではマグ2個・クロス1枚として分かるかを確認します。Shopify Bundlesの注文には構成品のSKUが記載されるため、倉庫連携で親のセット名しか見ていないと、取り出す商品が伝わらないことがあります。商品ページ、注文一覧、出荷指示で同じ中身を指しているか照合します。

一部だけ返品になったときも、セット価格を単純に3等分して返すとは決めないでください。注文時に各商品へ配分された金額、適用された割引、自店の返品条件を確認します。返金額の処理と、戻った現物を検品して販売可能在庫へ戻す処理は分けて追います。

テストはカート・連携先の用意する安全な環境や手順で行い、実決済や自動出荷を意図せず動かさないようにします。中身、料金、在庫の引き落としが合わなければ、セットの販売開始を保留します。構成を変えるときは、すでに受けた注文が以前の中身のまま出荷されることも確認してください。

WORKED EXAMPLE

具体例:マグ2個+クロス1枚を3,400円で売る仮例

金額は税抜の試算値。マグ1個600円・クロス1枚300円が原価です。お客様から送料は受け取らず、店負担送料500円・梱包100円。決済費4%は仮定で、特定サービスの実請求とは異なります。

セットの商品売上マグ2個とクロス1枚の合計
3,400円
構成品原価・送料・梱包1,500円+500円+100円
2,100円
仮定の決済費3,400円×4%
136円
記載費用を引いた残額広告・人件費などは未計上
1,164円
計算結果3,400−2,100−136=1,164円

この数字から分かること同じ中身を合計3,600円で同時購入・同梱する場合の残額は1,356円。セット化だけで費用が下がる前提にせず、192円の減少を含めて提案の価値と作業負担を比べます。最終利益や入金額の試算ではありません。

DECISION CORE

セットが売れても、中身と残額を一緒に追う

売上が増えたことだけでは、セットを続ける理由になりません。単品の売れ方、組み立てられる数、追加の出荷作業まで見れば、次に直す場所が分かります。

01

値引きで残額が減るなら、組み合わせから見直す

送料が下がらないのに値段だけ下げていないかを確認します。内容の選びやすさや用途の提案で価値を作れるか考えます。

02

構成品が足りないなら、セットの受付数を絞る

合計在庫ではなく、中身がそろう数を計算します。単品注文に確保した商品を、セットへ重ねて割り当てないようにします。

03

倉庫で中身が見えないなら、連携を直してから売る

セット名と注文数だけで出荷を任せず、構成品のSKUと必要数量が指示へ届くか確かめます。

TWO CASES

条件が変わると、判断も変わる

一つの結論を全事業者へ当てはめず、運営条件の違う2ケースで確認します。

マグを単品で3個売った後も8セット受付中

前提
マグ17個・クロス10枚から単品のマグ3個が売れたが、セット数は変更していない。
判断
残るマグ14個を2個ずつ使うので、組める数は7セットです。元の8セットをそのまま受けると不足します。
次の行動
単品の引当とセット数の更新経路を確認し、販売画面でも同じ数になるまで受付を制御します。

原価が上がったのにセット売価は据え置き

前提
マグの仕入原価が1個100円上がり、セット内容はマグ2個+クロス1枚のまま。
判断
他の条件が同じなら、1セットの残額は200円減り、仮例の1,164円から964円になります。
次の行動
構成品原価とセット売価を別に見直し、価格・内容を変える場合は購入前の表示と既存注文の扱いをそろえます。

数量・金額は本文と同じ架空商品の仮例です。実際の構成品、販売可能数、費用と連携仕様に置き換えてください。

FAQ

判断前によく出る疑問

セット販売は必ず単品より安くするものですか?

値引きだけが価値ではありません。一緒に使う商品を選びやすくすることも提案になります。中身と価格を明確にし、購入者にとっての使いやすさと店側の費用を比べます。

セット用のSKUを作れば、単品の在庫も減りますか?

コードを追加するだけで構成品が連動するとは限りません。セット構成と必要数、単品との共有、倉庫連携の設定を確認します。先に組んで別在庫にする場合は現物を二重に数えません。

セットの一部だけ戻ったら、すぐ在庫を増やせますか?

返品受付や返金だけで販売可能な現物が増えるわけではありません。戻った構成品と状態を検品し、販売可能・不良などを分けて反映します。セットを再び組めるかは他の構成品も含めて計算し直します。

FINAL CHECK

実行前のチェックリスト

  • 中身の商品名・SKU・色・数量を決めた
  • 原価・送料・資材・作業負担を単品時と比べた
  • 構成品ごとに組める数を計算した
  • 確保済み・破損・未入荷を販売可能数へ混ぜていない
  • 単品販売と組立済み在庫の二重計上を防いだ
  • 出荷指示・一部返品・構成変更時の扱いを確認した
PRIMARY SOURCES

公式出典

  1. 商品バンドルShopifyヘルプセンター
    • 関連する商品をまとめるバンドルの概要とバンドルアプリの利用
    • 構成品の販売可能数を必要数量で割り最小値を切り捨てる計算
    • 在庫未追跡・在庫切れ販売設定の例外と構成品の配送プロファイル
    • 構成品単位の返品とバンドルの識別
  2. Shopify BundlesShopifyヘルプセンター
    • 注文に記載される構成品SKUと全体在庫での追跡
    • 構成品の価格変更ではセット価格が自動更新されないこと
    • 割引の構成商品への配分
CORRECTION

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