STEP 01
何を増やしたいクーポンなのか、一つに絞る
初めての購入、2回目の購入、特定商品の在庫消化では、対象者も見る数字も違います。最初に『誰に、何を買ってもらいたいか』を書いておきます。全員へ配ることから始めると、割引なしでも買う予定だった注文まで値引きする可能性があります。
例えば2回目の購入を促すなら、配布数や使用回数だけでなく、配布対象者の再購入と、値引き・返品を反映した残額を見ます。在庫消化なら、残す商品まで一律に下げる必要があるかを考えます。
購入画面のエラーや、送料が最後まで分からないことが離脱原因なら、クーポンより先にその問題を直します。値引きは商品の説明不足や使いにくい画面を解消するものではありません。
STEP 02
10%引きで、1注文に残る額がどれだけ減るか
下の例は、値引き前の商品売上5,000円、商品原価2,000円、店が負担する送料600円、梱包費100円とする仮の計算です。金額はすべて税抜の試算値。お客様から送料は受け取らず、決済費は値引き後の商品売上の4%と仮定します。実在するサービスの料率や税込決済の請求を再現するものではありません。
値引きしなければ、決済費は200円で、5,000−2,000−600−100−200=2,100円が残ります。10%引きなら商品売上は4,500円、決済費は180円。残る額は1,620円へ減ります。値引き500円と決済費の減少20円を合わせ、1注文で480円の差です。
ここでいう『残る額』は、商品原価・送料・梱包・仮定の決済費を引いた金額です。広告費、人件費、家賃、カート利用料、返品損失、税金などはまだ引いていません。店の最終利益でも、口座の残高でもありません。自店では実際の費用範囲と税区分へそろえて計算し直します。
STEP 03
同じ残額を保つには、何件の注文が必要か
同じ商品構成と費用のまま、通常価格で100件の注文がある場合を考えます。残額の合計は2,100円×100件=210,000円です。すべての注文を10%引きにするなら、210,000円÷1,620円=約129.63件。件数を切り上げて130件が必要になります。
つまりこの仮例では、注文数が100件から130件へ約30%増えて、ようやく記載費用を引いた合計が元と同程度になります。10%値引きだから10%増で足りるわけではありません。130件なら210,600円ですが、30件分の追加作業費や返品損失などはこの差に含んでいません。
これは必要件数の計算で、クーポンを出せば130件売れるという予測ではありません。売れる商品や客単価、配送費、クーポンを使う割合が変われば結果も変わります。値引き後の1注文の残額が0以下なら、この前提では注文を増やしても元の残額を回収できません。先に条件を見直します。
STEP 04
割引率だけでなく、対象と併用条件を決める
対象商品、対象者、最低購入額、有効期間、利用回数、他の特典との併用を一組で決めます。利益が薄い商品や、配送負担の大きい商品へ同じ率を適用してよいかも確かめます。最低購入額を設ける場合は、その金額ちょうどの注文でも採算が合うか計算します。
Shopifyの金額割引には定額と割合があり、商品や注文の金額から割り引きます。この種類の割引は送料には適用されません。特定商品への割引で最低購入額を設定する場合、公式案内では対象商品の金額だけを条件判定に使います。対象外商品との合計だけで判断しないようにします。
併用についても、すべての割引が無条件に足されるわけではありません。Shopifyは割引の種類と各設定によって組み合わせを扱い、利用条件がある組み合わせもあります。自動割引、会員特典、送料割引、手動調整まで含め、購入画面で実際の合計を確認します。ここでの10%引き計算は、他の特典を併用しない前提です。
STEP 05
配る前に、予算上限と止める条件を置く
定額500円を1注文に1回だけ適用し、合計100回までに制限するなら、値引額の上限は50,000円という計算になります。ただし、同じ条件がカートで実現できることが前提です。割合割引は購入額によって値引額が変わるため、回数制限だけでは金額の上限が固定されません。
『お客様1人1回』と『全体で100回』は別の制限です。Shopifyにも全体の使用回数と顧客ごとの制限があります。新しいコードを作り直した場合の扱いも確認し、案内した条件と実装が合うかを見ます。有効期間は管理画面のタイムゾーンに従うため、終了日時も店の案内と照合してください。
対象外の商品にも適用された、想定しない併用で残額が下がった、在庫や出荷能力を超えたなど、止める条件を先に決めます。誤設定があれば追加配布や該当コードの利用を止め、すでに受けた注文を別途確認します。注文をまとめて取り消すなどの対応は、購入条件と個別状況を確認してから判断します。
STEP 06
試した後は、割引なしの注文も含めて振り返る
少数の対象で試すなら、期間、対象者、配布経路、利用件数、値引額、確定注文、返品、残額を残します。可能なら同じ条件で比較できる非配布群や過去の期間も使いますが、季節や集客の違いが大きければクーポンだけの効果とは言えません。
クーポン利用100件が、そのまま新しく増えた100件とは限りません。もともと購入する予定だった人、購入時期を前倒しした人も含まれます。割引あり・なしを合わせて、目的だった初回購入や再購入がどう変わったかを見ます。
期待した動きがなければ、割引率をすぐ上げるのではなく、届ける相手、対象商品、案内内容を見直します。配布を続ける判断は、使用回数の多さではなく、注文全体の採算と作業負担を見て行います。