PRACTICAL GUIDE

ECの決済入金照合|売上・手数料・返金・振込を合わせる方法

銀行へ入った金額が販売レポートの売上と違うのは、すぐ異常とは限りません。入金1件に含まれる取引を決済事業者の明細からたどり、当月売上、前月分、控除、未入金を分けます。

01

銀行明細ではなく入金IDから始める

02

総額・手数料・返金・調整を橋渡しする

03

締め日時点の未入金残高を次月へ繰り越す

STEP 01

売上合計と銀行入金を直接比べない

注文日と入金日はずれ、複数日の決済が一つの振込にまとまり、手数料、返金、チャージバック、保留、調整が差し引かれます。当月の販売レポートと当月の銀行入金が一致する前提を置かず、決済事業者ごとの支払い・入金明細を橋渡し表の起点にします。売上の確定と現金の着金は別の締め作業です。

STEP 02

一行を入金ID・口座・通貨で固定する

銀行明細の1入金に対し、決済事業者名、加盟店アカウント、入金ID、通貨、入金ステータス、決済事業者の予定日、銀行着金日を記録します。複数ブランドや店舗を同じ口座へ入れる場合もアカウントを混ぜません。外部決済はShopify側だけで完結させず、その決済会社の明細を正本にします。

STEP 03

締め日・タイムゾーン・採用日をそろえる

注文作成日、決済確定日、決済残高へ反映された日、入金予定日、銀行着金日は同じではありません。月次表にはどの日を抽出条件にしたか、開始・終了日時、タイムゾーンを書きます。Stripeでも残高レポートは残高変動日、入金照合レポートは自動入金の有効日を基準にするため、異なる基準のCSVを同じ月として足しません。

STEP 04

入金に含まれる取引を明細で展開する

各入金IDについて、決済の総額、決済手数料、返金、チャージバック・異議、各種調整を明細行で集計します。Shopifyの支払い照合レポートは、選択した期間と通貨におけるShopify Paymentsの取引、手数料、支払いの内訳を確認するためのものです。Stripeの入金照合レポートも、自動入金を関連取引のまとまりへ照合する用途で、明細CSVを取得できます。

STEP 05

総額から純入金まで橋を架ける

基本形は、決済総額-決済手数料-返金-チャージバック±調整=期間中の純増減です。そこへ期首の決済残高を足し、銀行への入金を引いた残りが、締め日時点の決済残高と一致するか確認します。税、送料、値引き、チップなど総額の範囲は決済会社と自店の定義で変わるため、画面のラベルをそのまま記録します。

STEP 06

未入金・保留・失敗を差額で消さない

締め日時点で利用可能前の取引、準備金、保留、最低支払額未満、失敗した振込、翌月予定の入金は、消込済みにせず未決一覧へ残します。Stripeでは自動入金向けの入金照合レポートと、手動入金や残高を銀行口座のように追う場合の残高レポートで用途が異なります。即時入金も含まれる取引をStripeが特定できないため、取引履歴との照合は事業者側で行います。

STEP 07

一対多・多対一をIDで解く

一つの注文に一部返金や複数回決済があり、一つの入金に多数の注文が含まれるため、注文番号だけで一対一照合しません。入金ID、決済取引ID、注文ID、返金ID、チャージバックIDを別列にして関連付けます。複数通貨は換算前通貨、決済通貨、入金通貨、為替調整を分け、円換算の差額を不明金へまとめません。

STEP 08

差額は理由と次の確認先を付ける

差額を『その他』で埋めず、締め日のずれ、手数料、返金、チャージバック、保留、為替、重複、欠落、銀行処理中、原因未確定へ分類します。原因未確定には金額、対象ID、確認先、担当、期限を置きます。翌月に解消したら元月の記録を上書きせず、解消日と対応する証拠を追記します。

STEP 09

会計へ渡す前に証拠を一組にする

月ごとに販売レポート、決済事業者の入金サマリーと明細、返金・異議の一覧、銀行明細、未決一覧を同じ保存単位にします。照合表は差額を説明する運営資料であり、売上計上日、総額・純額記帳、消費税区分、為替差損益などの会計・税務判断そのものではありません。採用する処理は証憑と契約を基に税理士や会計担当へ確認します。

WORKED EXAMPLE

具体例:45万円の銀行入金と9万2,820円の決済残高を説明する

以下は一つの決済口座、一通貨、同じ締め日時点の編集部モデルです。実際の項目名、手数料、利用可能日、保留条件は自店の入金明細へ置き換えます。会計仕訳や税額の例ではありません。

期首の決済残高前月からの未入金分
80,000円
決済総額当期間の明細合計
+520,000円
決済手数料入金明細の控除
-17,680円
返金処理日基準
-30,000円
チャージバック対象IDを記録
-12,000円
その他調整理由と証拠を記録
+2,500円
銀行への入金銀行着金と照合
-450,000円
期末の決済残高次月へ繰り越す未入金分
92,820円
計算結果期間中の純増減 520,000円-17,680円-30,000円-12,000円+2,500円=462,820円、期首80,000円+462,820円-銀行入金450,000円=期末決済残高92,820円

この数字から分かること銀行の45万円だけを当月売上にせず、入金後も決済口座に92,820円残ることまで説明します。実際の期末残高が一致しなければ、差額を利益や手数料と推測せず、未決一覧へ残して取引IDから確認します。

DECISION CORE

銀行入金の差額を、取引IDまで戻って説明する

銀行へ入った純額だけでは、売上、手数料、返金、保留のどれが動いたか分かりません。入金IDを起点に明細を展開し、期末の決済残高までつなぎます。

01

入金1件を一つの束にする

決済事業者、加盟店口座、入金ID、通貨を固定し、銀行明細の1行と対応する取引明細を同じ束で保存します。

02

差額を構成要素へ戻す

決済総額、手数料、返金、異議、調整を別行にし、正体不明の差額を売上や手数料へ押し込みません。

03

未入金を次月へ渡す

期末の決済残高、保留、失敗、翌月予定を未決一覧へ残し、翌月の解消日と証拠を追記します。

TWO CASES

条件が変わると、判断も変わる

一つの結論を全事業者へ当てはめず、運営条件の違う2ケースで確認します。

売上52万円・銀行入金45万円

前提
期首決済残高8万円、手数料17,680円、返金3万円、チャージバック1.2万円、調整2,500円。
判断
入金差を単純に7万円と扱うと、前月残高と期末残高を見落とします。橋渡し後の期末決済残高は92,820円です。
次の行動
管理画面の実際の期末残高と照合し、差があれば対象IDを未決一覧へ置きます。

月末売上が翌月の入金へ混在

前提
販売レポートは注文日基準、決済CSVは残高変動日基準、銀行は着金日基準。
判断
同じ月名でも抽出基準が違うため、全CSVを月合計で直接比較できません。
次の行動
各資料の採用日、期間、タイムゾーンを記録し、入金IDの明細単位で時期差を分けます。

ケース内の数量・金額は判断方法を説明するモデルです。契約や予算決定には自社の実績値と最新の公式条件を使用してください。

FAQ

判断前によく出る疑問

販売レポートと銀行入金が合わないのは異常ですか?

必ずしも異常ではありません。入金時期、手数料、返金、異議、保留、前月残高が違いを作るため、決済明細で橋渡しします。

注文番号だけで照合できますか?

一つの入金に多数注文が入り、一注文に複数決済や返金があるため不十分です。決済取引ID、返金ID、入金IDも関連付けます。

差額が小さければその他費用で処理してよいですか?

金額だけで決めません。原因、対象ID、確認先、担当、期限を残し、会計処理は証憑を基に会計担当や税理士へ確認します。

Stripeではどのレポートを使いますか?

自動入金ごとの取引を照合するなら入金照合レポート、手動入金や残高全体を期間照合するなら残高レポートが候補です。自社設定を確認してください。

FINAL CHECK

実行前のチェックリスト

  • 決済事業者・加盟店口座・通貨を分けた
  • 入金IDと銀行着金日を記録した
  • 抽出期間・採用日・タイムゾーンを固定した
  • 総額・手数料・返金・異議・調整を明細から集計した
  • 期首残高と期末残高を含めて一致を確認した
  • 保留・失敗・翌月入金を未決一覧へ残した
  • 注文・取引・返金・入金のIDを関連付けた
  • 差額へ担当・期限・証拠を付けた
PRIMARY SOURCES

公式出典

    • 支払い照合レポートで選択期間・通貨のShopify Payments取引、手数料、支払いの内訳を確認できること
    • 支払い詳細を表示・エクスポートできること
    • 支払いの失敗、減額・未入金、返金、準備金、保留が個別の確認対象であること
    • 顧客の支払いから事業者が入金を受け取るまで通常は時間差があること
    • Shopify Paymentsと外部決済事業者で入金経路や確認場所が異なること
    • 外部決済事業者の入金情報はShopify管理画面で確認できない場合があること
    • 銀行入金を関連する支払い・その他取引のまとまりへ照合できること
    • 入金照合レポートは自動入金を有効にした利用者向けであること
    • 集計と取引明細をCSVで取得でき、総額・手数料・純額などを確認できること
    • 残高レポートは決済残高を銀行口座のように期間照合する用途であること
    • 入金照合レポートは自動入金ごとに含まれる取引を照合する用途であること
    • 即時入金は含まれる取引をStripeが特定できず事業者側の照合が必要であること
    • 残高レポートと入金照合レポートでは期間へ含める際の採用日が異なること
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