PRACTICAL GUIDE / EDITORIAL MODEL

EC広告をROASではなく利益で管理する方法

売上÷広告費のROASだけでは、原価と送料が違う商品の採算を判断できません。

01

注文ごとの限界利益を出す

02

損益分岐より低い目標CPAを置く

03

返品と計測差を後から反映する

STEP 01

広告前に残る金額を出す

売上から商品原価、決済、梱包、送料、返品見込みなど広告以外の変動費を引き、広告へ使える上限を出します。

STEP 02

新規と既存を分ける

リピート利益を初回CPAへ含める場合は、実績の再購入率と期間を使います。希望的なLTVは0円にして感度分析します。

STEP 03

媒体数値と受注を照合する

広告管理画面、アクセス解析、カート受注は計測窓や重複で一致しません。月次で差を記録し、利益計算は確定受注へ寄せます。

WORKSHEET / 編集部テンプレート

広告利益・確定受注照合シート

媒体が報告する売上・CVと、カートで確定した売上・注文を分け、値引き、原価、決済、配送、返品、初回特典まで差し引くCSVです。リピート利益は実測コホートと仮定を混ぜません。

広告利益CSVをダウンロード
媒体・期間値の出所売上・注文変動費広告費利益指標計測条件
媒体A・YYYY-MM媒体管理画面媒体売上・CV計算に使わない媒体請求額媒体ROAS計測窓・重複を記録
媒体A・YYYY-MM確定受注確定売上・新規注文原価〜初回特典媒体請求額確定ROAS・CPA受注確定日で集計
初回購入コホート自社実績/仮定再購入売上再購入の変動費追加広告を分けるリピート利益観測期間を固定
最終判断確定受注を優先返品後売上採用費用を明示請求額広告後利益対象外費用を残す
  • ROASは売上÷広告費、CPAは広告費÷採用した注文数です。媒体売上のROASと確定受注のROASを別々に残し、CPAの注文数を新規・全注文のどちらにしたか明記します。
  • このシートの広告前限界利益は、確定売上から値引き、原価、決済費、送料・梱包、返品損失、初回特典を引いた額です。広告後利益は、そこから広告費を引きます。固定費と税は別途確認します。
  • リピート利益は、観測期間を固定した自社コホート実績だけを採用します。未計測なら0円を基準とし、仮定は別ケースで感度分析します。

WORKED EXAMPLE / ケース数値・例示

具体例:客単価6,000円からCPA上限を出す

粗利率55%、決済・送料・梱包など広告以外の変動費を1注文900円として計算します。

客単価
6,000円
粗利6,000円×55%
3,300円
広告以外の変動費
900円
安全余裕損益分岐CPAから差し引く
20%
計算結果損益分岐CPA 2,400円 / 目標CPA 1,920円

この数字から分かること損益分岐ROASは250%、20%の余裕を持つ目標ROASは約313%です。媒体の目標値を商品群の利益から逆算します。

DECISION CORE

広告管理を、媒体ROASから商品群別利益へ戻す

広告画面の売上は、返品・値引き・原価・送料を反映していない場合があります。商品群別の広告前利益を基準に、CPA上限と予算配分を決めます。

01

商品群別の上限

粗利率と変動費が違う商品へ同じROAS目標を使わず、各群のCPA上限を計算します。

02

新規・既存を分ける

自然購入する既存顧客を新規獲得費へ混ぜず、広告の増分効果を確認します。

03

返品確定後に締める

媒体の速報と会計上の確定を分け、返品・キャンセル後の売上で月次利益を再計算します。

TWO CASES

条件が変わると、判断も変わる

一つの結論を全事業者へ当てはめず、運営条件の違う2ケースで確認します。

ROAS400%でも赤字

前提
低粗利商品、送料負担、返品率10%。
判断
売上4倍だけでは費用を回収できない場合があります。商品別限界利益からCPAを逆算します。
次の行動
広告費を商品群へ配賦し、返品後利益で停止基準を作ります。

ROAS250%でも継続候補

前提
高粗利、再購入実績あり、返品が少ない。
判断
確実な再購入利益を保守的に含めても目標CPA内なら継続候補です。
次の行動
新規顧客コホートの粗利を期間固定で確認します。

ケース内の数量・金額は判断方法を説明するモデルです。契約や予算決定には自社の実績値と最新の公式条件を使用してください。

FAQ

判断前によく出る疑問

媒体ごとにROAS目標を変えますか?

まず商品群・顧客区分で上限を決め、媒体の計測差と増分効果を踏まえて調整します。

広告費に制作費を含めますか?

意思決定目的に応じます。媒体運用比較では分け、施策全体の回収では制作・運用人件費も含めます。

LTVはどの期間を使いますか?

商品の購入周期に合う固定期間を使い、未確定の将来購入を過大評価しません。

FINAL CHECK

実行前のチェックリスト

  • 商品群別の限界利益を出した
  • 新規・既存を分けた
  • 返品後売上で再計算した
  • 固定費を回収する安全余裕を置いた
PRIMARY SOURCES

公式出典

    • ROASが広告費用に対するコンバージョン値の比率であること
    • 目標ROAS設定の考え方
    • 計測データに基づく運用が必要であること
    • 標準料金に初期費用・月額料金がないこと
    • 国内カード・ウォレットのオンライン決済手数料
    • コンビニ決済、銀行振込、通貨換算など支払方法別の料金
CORRECTION

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