会計・バックオフィス

マネーフォワード クラウドの料金とEC会計の選び方

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ネットショップを運営していると、注文の合計金額と実際に銀行口座へ振り込まれる金額が一致しない場面によく直面します。この差額を整理して帳簿へ残すことが、会計ソフトの主な役割です。

この記事では、国内向けに布ポーチ10商品を扱い、週末60分で記帳と入金確認を行う個人事業の架空店を想定します。会計ソフトと必要な連携の仮予算は月換算税込3,000円とし、カート利用料や決済手数料、税理士報酬は別とします。

※各機能や料金の記載は、2026年10月9日時点の公式情報に基づいています。

マネーフォワード クラウドは、ネットショップの何を扱う?

ネットショップの注文管理画面と会計ソフトでは、扱う業務の目的が異なります。マネーフォワード クラウドでは、個人向けに「クラウド確定申告」、法人向けに「クラウド会計」が提供されており、事業のお金の流れを管理するバックオフィス(管理業務)のためのサービス群です(公式案内)。注文受付や発送そのものではなく、販売によって生じた売上や入金、経費を帳簿(会計記録)に記録(記帳)する役割を担います。

中心となる機能は、銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を取り込み、取引を会計の科目に分けて記録する「仕訳」を作成して帳簿を整えることです(公式案内)。家計簿アプリの「マネーフォワード ME」とは異なり、事業の決算や申告の準備を行う目的で利用されます。布ポーチを扱う架空店では、ショップ管理画面で注文を管理しつつ、会計ソフト側で決済明細や銀行口座の動きを確かめて仕訳を記録します。

個人と法人で、必要なプランはどう分かれる?

最安のプランですべての申告書類が作れるわけではなく、事業者区分(個人か法人か)や消費税申告書の作成要否、利用人数によって選ぶプランが分かれます。

個人事業主向けの「クラウド確定申告」には「ミニ」「パーソナル」「パーソナルプラス」の3プランがあります。最安の「ミニ」は確定申告書の作成には対応していますが、消費税申告書の作成には対応していません。消費税申告書の作成機能が必要な場合は「パーソナル」または「パーソナルプラス」を選ぶことになり、「パーソナルプラス」には操作方法に関する電話サポートも含まれます(公式案内)。

なお、ここでの申告機能とはソフトで書類を作成できる範囲を指し、申告義務の有無や税務判断そのものとは区別する必要があります。

法人の場合は「クラウド会計」を利用し、「ひとり法人」「スモール」「ビジネス」から選択します(公式案内)。「ひとり法人」は士業を除く登録利用者が1名、1会計年度500仕訳までに制限されています。この500仕訳は注文数ではなく、仕訳の件数です。

法人の「スモール」は会計の利用枠が3名までで追加はできません。「ビジネス」は3名の枠を含み、4名目以降は1名あたり月額300円(税抜)で追加できるほか、法人の消費税申告書作成にも対応しています。「ひとり法人」と「スモール」は消費税申告書の作成に対応していません。なお、この人数枠はクラウド会計の利用枠であり、他のバックオフィス製品の枠とは別に管理されます。

架空店のような個人事業の段階では、まず自身で消費税申告書まで作るのか、申告業務を税理士へ依頼するのかを整理してプランを絞り込みます。もし将来法人化する場合は、法人向けの料金や機能を確認して検討します。

通常料金は、月払いと年払いでいくら違う?

月額900円という表記は年額プランを一括払いした際の「月換算額」であり、毎月900円ずつ支払う契約ではありません。

ブラウザから申し込むWeb契約の通常料金は税抜で表示されており、月払いと年一括払いで支払額が異なります。年払いを選択すると1か月あたりの負担は抑えられますが、契約時に1年分の料金をまとめて支払う資金を用意する必要があります。

個人事業主向けの「クラウド確定申告」における、2026年10月時点のWeb契約通常料金は次のとおりです(公式案内)。

横にスクロールして表全体を確認できます。
プラン名 月払い(税抜) 年一括払い(税抜) 年払いの月換算(税抜)
ミニ 1,280円 / 月 10,800円 / 年 900円 / 月相当
パーソナル 1,680円 / 月 15,360円 / 年 1,280円 / 月相当
パーソナルプラス 提供なし 35,760円 / 年 2,980円 / 月相当

法人向けの「クラウド会計」におけるWeb契約の通常料金は次のとおりです(公式案内)。

横にスクロールして表全体を確認できます。
プラン名 月払い(税抜) 年一括払い(税抜) 年払いの月換算(税抜)
ひとり法人 3,980円 / 月 29,760円 / 年 2,480円 / 月相当
スモール 5,980円 / 月 53,760円 / 年 4,480円 / 月相当
ビジネス 7,980円 / 月 77,760円 / 年 6,480円 / 月相当

※上記はいずれもキャンペーンを適用しない通常料金です。

Web契約の基本料金は利用開始時および契約更新時に発生し、各サービスの従量課金やオプション料金と合わせて月末締めの翌月に登録クレジットカードへ請求されます(公式案内)。

なお、料金改定が予定されています。個人向けプランは2026年12月1日、法人向けプランは2027年6月1日に改定される予定であり、改定日以降に迎える契約更新時から新料金が適用されます(公式案内)。現在の料金が将来にわたってそのまま据え置かれるわけではありません。

架空店の仮予算である「月換算税込3,000円」と照らし合わせる際は、税抜表示の料金に消費税を加味して比較します。また、年払いを選ぶ場合は、契約時に1年分の支払資金を用意できるかもあらかじめ確認しておく必要があります。

アプリから申し込む場合や解約時は、何が違う?

アプリからの定期購読とブラウザ経由のWeb契約では料金や含まれる機能が異なり、Web契約を解約した場合は事前の解約予約ではなく手続き時点で即時失効します。

スマートフォンのアプリ内課金とWebブラウザからの契約は、別の窓口として管理されています。たとえばiOS向けの「パーソナルミニ アプリプラン(iOS)」では確定申告以外のサービスの有償機能が使えないなど、アプリからの定期購読はWeb契約と内容が異なる場合があります。料金や利用できる機能は申込経路によって異なるため、各プラットフォームの購入画面で確認する必要があります(公式案内)。

すでにWeb契約を結んでいるアカウントであれば、追加料金を支払うことなくアプリ版の有償機能を利用できます。もしアプリの定期購読を契約している状態でWeb契約も登録してしまうと、双方で料金が二重に発生してしまいます。Web契約へ切り替える際は、あらかじめ利用中のアプリ側で定期購読の解約手順を確認し、重複課金を防ぐ必要があります(公式案内)。

Web契約の有効期間は申込日から翌月または翌年の同日前日までとなり、更新日に自動更新されます。Web契約を解約すると即時に解約が反映され、残りの契約期間があっても権利は失効し、日割り計算による返金や残期間の払い戻しはありません(公式案内)。

解約後もデータは保持されますが、利用できる機能は大幅に制限されます。そのため、解約手続きを進める前に仕訳帳や決算書などの必要なデータをダウンロードして手元に保存しておくことが案内されています。

自分の販売先の売上は、どう取り込める?

Shopifyとの旧直接データ連携はすでに終了しており、現在は手動仕訳を入力するか指定形式のCSVファイルを取り込んで売上を記録します。

マネーフォワード クラウドにおけるShopifyとの旧直接データ連携機能は、2023年6月30日をもって提供を終了しました(公式案内)。そのため、Shopifyの売上データを反映させるには、管理画面から出力した数値を手作業で入力するか、会計ソフトが指定する「仕訳帳インポート」用のCSVデータに変換して取り込む必要があります。なお、外部の中継アプリや連携ツールを経由する方法については、各サービスの提供条件や利用料金を個別に確認する必要があります。

金融機関やECモールの「データ連携」とは、外部サービスの明細情報をソフト内に呼び出す仕組みのことです(公式案内)。明細を取得しただけで自動的に会計上の記帳が完了するわけではなく、取り込んだ明細の内容を確認して帳簿へ登録する作業が必要です。

CSVファイルを取り込む際は、ソフトが指定する列形式や勘定科目などの必要条件に沿ってデータを整える必要があります。仕訳帳CSVを取り込むと、その都度「新規仕訳」として帳簿に追加登録されます。すでに取り込み済みの仕訳を自動で更新する仕組みではないため、同じファイルを誤って重ねて取り込むと仕訳が二重に登録されてしまいます(公式案内)。

Amazonの出品者アカウントを連携している場合、取引明細はトランザクション情報から取得されます。同じ注文番号であっても、日付や金額が異なると複数の明細としてソフト上に分かれて取得されることがあります(公式案内)。これらを一律に重複と判断して削除してしまうと正確な帳簿が残せなくなるため、登録された仕訳内容を個別に確認することが案内されています。

布ポーチを扱う架空店のような個人規模であっても、注文明細、返金データ、決済手数料、銀行への入金がどの経路から届くのかをあらかじめ書き出して把握しておくことが大切です。

マネーフォワード クラウドの仕訳帳CSVの取込を説明する模式図。仕訳Aと仕訳Bを含む架空の同じCSVをもう一度取り込むと、最初のAとBは残り、同内容のAとBが新しい仕訳として追加される。既存仕訳の更新にはならない。A/Bは説明用ラベルで実際のCSV書式ではない。取り込んだ結果を元明細と照合する。同じ注文番号の明細でも日付や金額が違う場合があるため、番号だけで重複と決めない。

売上と銀行入金が違うとき、何を照合する?

銀行に振り込まれた金額だけをそのまま売上として計上することはできず、売上や返金、決済手数料などの取引を分けて元明細と照合する必要があります。

ネットショップの取引では、売上と実際の銀行入金が一致しない要因として手数料や返金、入金時期のずれなど複数の候補が考えられます。そのため、差額のすべてを手数料と思い込まず、元明細と帳簿の取引内容を突き合わせて確認することが大切です。

架空店におけるある一定期間の取引を例に、決済残高の流れを整理します。期首残高を0円とし、同期間に対象取引がすべて確定・精算され、他の増減がないと仮定した場合の計算式は次のとおりです。

期首残高 0円 + 売上 50,000円 − 返金 5,000円 − 決済手数料 1,500円 − 銀行入金 43,500円 = 期末残高 0円

この式における未入金(対象取引に係る、店へまだ送られていない金額)は0円として計算しています。金額は消費税を含む実際の受払総額を示した架空のモデルであり、手数料1,500円はこの例における確定費用であって特定の料率を保証するものではありません。また、これは取引と入金の整合性を確認するための計算例であり、会計上の売上計上日や勘定科目、税区分、事業の利益を決定する仕訳のひな型ではありません。

もし帳簿上の記録と実際の入金に食い違いがある場合は、差額の原因として「返金」「決済手数料」「入金時期のずれ」「未入金」「明細の重複や欠落」のいずれかが生じていないかを確認します。利用するプランでどのような照合手順が使えるかを確認しつつ、決済管理画面の確定レポートと銀行通帳の入金明細を並べて照合する作業が基本となります。

無料期間に何を試せば、導入するか決められる?

自動で明細を取り込めても店主による仕訳確認と入金照合は省けないため、1か月の無料期間を使って自店の代表的な取引データを取り込み、一連の作業が無理なく行えるかを試します。

マネーフォワード クラウドには初期費用がなく、1か月間の無料トライアルが用意されています(公式案内)。個人事業主向けの無料トライアルは1事業者につき1回のみ利用でき、登録時にクレジットカードの入力は不要です。

試用期間が終了しても自動的に有料プランへ移行して課金されることはありません。法人の場合も無料トライアルが用意されていますが、一部試用できない機能があります(公式案内)。

無料期間中は、過去数か月分の全データを一度に移行しようとする必要はありません。直近1か月分などの少量かつ代表的な取引明細(注文、返金、決済手数料、銀行入金)を手元に用意し、実際にデータ連携やCSV取り込みを試行します。明細が正しく取得できるか、仕訳の候補が意図どおりに表示されるか、証憑(領収書や請求書など)の保存や確認作業がスムーズに進むかを確かめます。

また、税理士などの専門家へ相談している場合は、試用期間中にデータの共有手順や仕訳の方針に問題がないかを確認しておくと導入後の混乱を防げます。もし操作感や連携の仕組みが自店の運用に合わないと感じた場合は、既存の記帳方法を続けたり、他社の会計サービスを比較検討したりする判断も可能です。

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